Proxyとは何か

ときは1990年代後半。
インターネットといえば家の電話線を使って54kbps以下でした。
スマホ使いすぎて規制されたときの通信スピードの半分以下)


確かに当時は動画とか流行ってなかったので、私はそこまで遅いと感じてませんでしたが、少しでも早くするためにProxy(プロキシー)というサーバをプロバイダ(ISP)が用意することが多かったです。(PC側はInternetExplorerなどブラウザで設定)

 

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ProxyServerはPC1からサイトAをみたいと言われたときにサイトAのコピー(キャッシュと呼びます)を保存しておき、
あとでPC2から同じサイトAを見たいと言われた場合にはサイトAにアクセスせずにコピーを返事することでPC2のサイトA閲覧スピード向上に貢献します。

*難しい話:インターネットは何回も通信を往復する仕様となっていることから、回線が早いProxyServerがサイトをダウンロードしながら、PCに通信することは往復の空白時間が短縮される点でも高速化できることが多く、PCは同じスピードの回線でもProxyServerを経由した方が早いことがあるため前述のPC2の閲覧スピード向上だけでなく1回目のアクセスであるPC1も閲覧スピード向上が見込まれます。

 

2001年から急激に流行したADSLでは、電話線を使いつつ1Mbps程度は当たり前になり
スマホで規制されたときの10倍程度)
ProxyServerを使うことによってProxyServerに自分の情報が残る点での情報漏洩やProxyServerがメンテナンス中にサイトが閲覧できない、
Proxyの設定が面倒などの問題の方が大きく感じられるようになり今ではProxyのことを知らない人の方が多い時代になりました。

 

企業でのProxy

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一方、企業では企業のPCを使った「ゲームサイトのアクセス禁止」「DropboxGmailなど情報を持ち出せるサイトを禁止」したいと考えたとき、
企業内のPC全てに都度禁止するアドレスを設定をするよりもProxyServerで設定する方が即時反映ができることや、キャッシュで回線の負荷(回線代)を下げるなど多数のメリットからProxyServerを構築し、企業内のPCはProxyServer経由しなければ社外のWebサイトが見れないように設計されていることが多いです。

ProxyServerのシステムとURLリスト(サイトのカテゴリ化したもの)は100ユーザで年50万円、2000ユーザで年200万円程度の商品がほとんどですが、国内ベンダーの製品にはリストに追加するペースが明らかに間に合っていない製品もあります。

また、SSLHTTPSTLS)暗号化されているサイトが一般的になってきた今、設計変更を嫌う日本の大手企業ではHTTPSについてURLリスト(厳密にはドメイン)でしか判別できておらず、
ファイル送信・アップロード規制ができていないパターンがほとんどです。

 

HTTPS通信は暗号化されているため、閲覧・ダウンロードなのかアップロードなのか、ドメイン以降のアドレスすらそのままでは判別できません。
 ProxyServerで一旦復号し、再度暗号化するような設定をすればHTTPS通信の中身が判別できるようになりアップロードのみ規制できます。
 ただし、PCから見ると暗号化されていなければいけないサイトのデータをProxyServerの名前で暗号化されなおしていることは普通に考えれば情報が抜かれている攻撃を受けていることになるためエラーになります。
 回避策はありますが特に大手企業ではPC全体に回避策を施す自信がなく、現行業務影響を気にするがあまり実施できていないことがほとんどです。
 (情報漏洩など起こった際には現行業務どころではなくなるのですが)
 「その情報は当社からの漏洩ではない」ことを証明するためにもProxyServerでの通信記録を徹底すべく、ProxyServerでの復号も前向きに検討すべきだと思います。